カテゴリ:コメディの技術( 7 )


2006年 02月 19日

コメディ・ライティング講座

もっと早く構築しようと思っていたのですが、
ぼちぼち仕上がってきました。
世田谷区経堂で行う「コメディ・ライティング講座」の概要。
そろそろ告知しようと思います。
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by yasunari_suda | 2006-02-19 03:17 | コメディの技術
2006年 01月 04日

いまは亡きと若井こずえ師匠と桂枝雀師匠の芸を見る

大阪の正月は演芸番組が多い。
東住吉区の下町にある妻の実家で、
TVを見ていると、
宮川大助・花子の漫才がはじまった。
大阪のTVで見るのは、ほぼ一年ぶり。
が、驚いたのは、昨年まで留まるところを知らないかのように、
見る度に加速しているように思えた花子の喋りのスピードが、
明らかに、ゆるやかになっていたことだ。
一体どういうことなのか?と思いながら見ていたら、
不器用な亭主を演じる大助を小馬鹿にするところで、
昔なら舌の回転速度で圧倒していたのが、
な、な、なんと!
90年代に一世風靡した女性漫才コンビ、若井こずえ・みどりの
こずえそっくりのキャラになったように見えた!
若井こずえは、何年か前に亡くなった。
関西の女性芸人の中では、破壊力満点の得意なキャラだった。
50代の若さでの早すぎる死は実に残念だった。
そんな若井こずえの口調や間を、宮川花子に見ることができる。
意識的なものか? それとも無意識のうちにそうなっているのか?
真相はわからないが、不思議な気持ちに包まれた。
その後、桂文珍師匠の落語。
そこでも驚きがあった。
演じるキャラの一つに、故・桂枝雀師匠が造型したのとソックリの
キャラを見たからだった。
「アハハハハハ」というバネのように小気味よい阿呆の笑い。
これも、
意識的なものか? それとも無意識のうちにそうなっているのか?
その真相はわからない。
しかし、失われた無形の良いものが時を超えて伝達していく様なのだとしたら、
それは豊かなことだと心から思う。
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by yasunari_suda | 2006-01-04 19:19 | コメディの技術
2005年 10月 18日

モンティ・パイソンの中に「プロフューモ事件」という言葉が

モンティ・パイソンの翻訳に関わっていて、
たまに強く感心するのは、コメディにおけるサンプリングの手法の妙です。
あらゆる表現の分野で、もはやオリジナルなものは存在しない、と言われはじめて
随分と年月が経っているわけですが。
人は相変わらず、人が作ったものに感情を動かされてしまいます。
そんな感動を呼ぶ創作物には、サンプリングの妙が潜んでいることが多いのです。
モンティ・パイソンを見ていると、
たまに、明らかに濃厚なレギュラー・キャラクター以外の、
濃厚なキャラクター(人物)が、ニュース映像や台詞中のワン・フレーズとして
登場することがあります。
最近、濃いな〜と思ったのは、ジョン・クリーズがアフレコをしたキチ○イじみた
キャラの抗議の手紙に登場するプロフューモ事件という言葉。

時は、1963年、
事件の主役のプロヒューモさんは、三十八歳でマクミラン保守党政権の陸軍大臣を務め、
未来の首相候補とまでいわれた世襲の貴族でした。
この人が、ロンドンのナイトクラブで、
キーラーという名の高級コールガールを買ってしまいました。
まあ、そこまでは、単なる下半身スキャンダルなのですが、
ところが、そのキーラーさんは、当時のソ連の諜報員だったのです。
まるで、スパイ映画のようですが。
世間的には、英国陸軍の最高機密がソ連に流れたと言われています。
が、実際のところは、国家機密を漏らしたのかどうかは、ハッキリしていません。
が、
プロフューモさんは、議会で「この女性と関係がありましたか」と問われたときに、
「そんなことはなかった」と嘘をついてしまったのです。。
事件後、プロフューモさんは嘘をついた自分を探く恥じて、
先祖から受け継いだ莫大な財産と地位を投げうって、
ロンドン東部の貧民街のイーストエンドに住みついて、貧困や病気に
喘ぐ弱者のために奉仕活動を始め、ずっと続けたんだそうです。
その事実を知った女王陛下が、プロフューモさんが70歳を越えたときに、
「嘘をついた罪は大きいけれども、あなたは充分に罪を償いました」と、
救いの手をさしのべたそうです。
しかし、プロフューモさんは、
「いいえ、嘘をついた罪は許されません。私は一生かけて償いたいと思います」
と、そのまま今も、亡くなっていなければ、イーストエンドで働いているのだそうです。

調べてみると、すごい話が隠れていたりする。
こういうサンプリングの妙を発見すると、
やっぱり、『ゲバゲバ』や『カリキュラ』じゃ物足りなくなります。
そして、こんなコメディを自由に作ってみたいという衝動が増幅します。

そして、TVのニュースで日本の政治家の顔を見ていると、
嫌になりますね。
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by yasunari_suda | 2005-10-18 21:17 | コメディの技術
2005年 10月 10日

新しいお酒ブームから考える笑いの技術

先日、
落語に詳しい放送作家の小林さんと経堂の鳥へいのカウンターで飲んでいると、 
「トマトのお酒」ってボトルがありました。
ちょっとお洒落っぽく、女性層を意識したデザイン。
ちなみに、すっきりした飲み心地とか。
最近、果物や野菜など、いろんなものがお酒になっています。
グレープフルーツの発泡したお酒とか、
焼酎でも、ジャガイモ焼酎、ワカメ焼酎など、いろいろです。
(昔からあったんものもあるかも知れませんが)
そこで、
どんな材料のお酒があったらバカっぽいか?
という話になりました。

「キノコのお酒」
→変な酔いかたしそうです。

「ウドのお酒」
→う〜ん、微妙。
わざわざ仕事の疲れを癒すために飲みたくないような。

「カイワレのお酒」
→これも、微妙。

「ニラ焼酎」
→BGMは、軍歌ですかね。ジャズは、まず合わなさそう。

「カリフラワーのお酒」
→意外と飲んでみたい気もする。

「じねんじょ焼酎」
→器には凝りたいですね。美味そう。

「ポマトのお酒」
→熟成すると変な方向に行きそうな気が。

「小松菜のお酒」
→下町で飲むにはいいかもしれません。炙ったイカにあうかも。

「ずいきのお酒」
→う〜ん。

「泉州水なすのお酒」
→だんじりの季節に飲むと暴れたくなること請け合い。
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by yasunari_suda | 2005-10-10 16:33 | コメディの技術
2005年 10月 08日

ステルス戦闘機から考える笑いの技術

見えない戦闘機・ステルス戦闘機の映画が公開されました。
見えないというのは、実際のところは、相手のレーダーに
映らないということです。
が、厳密なことはさて置いて、
「見えない戦闘機=ステルス戦闘機」という世間一般に
認知される紋切り型は、格好のギャグ発想の素材です。
ステルス戦闘機は、
?ステルス ?戦闘機 という前半部分と後半部分から
成り立っています。
「見えない」というイメージのある?ステルス は、
そのままにして、
?戦闘機 を別の言葉に置き換えみましょう。
別の言葉を選ぶ際の基準は、
「これが見えないなんてキモイor困るor信じられないorえ〜?」
みたいなリアクションが期待でるものを、
まずは基本としてみると笑いを呼ぶ素材を発想できるかも
知れません。

ステルス募金
ステルスくさや
ステルス納豆
ステルス野口屋(リヤカーで売り歩く豆腐屋さんです)
ステルス部長
ステルスアイパー
ステルス法案
ステルス財団
ステルス家政婦
ステルス東海村
ステルス都知事
ステルス尿素配合
ステルス教団
ステルス唐辛子
ステルス屋台
ステルス闇金融
ステルスマーケティング
ステルス新世界
ステルス沖ノ鳥島
ステルス団地妻
ステルス占い
ステルス救急車
ステルス霊柩車
ステルス共和国
ステルス人民共和国
ステルスホスト
ステルス農協
ステルス民営化
ステルスニート
ステルス記念日
ステルス熟女
ステルスロマンポルノ
ステルスもみあげ
ステルス増毛
ステルス自慢

今日は、まあ、このへんで。
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by yasunari_suda | 2005-10-08 02:21 | コメディの技術
2004年 05月 09日

ズラによるハプニングと不条理の笑い

「ズラはホラーか?コメディか?」で、恐怖と笑いの関係性について書いたら、
京都の撮影所で働いていた友人から、刺激的なメールが届きました。

それは、撮影所で時代劇用のカツラを担当する結髪さんのエピソード。
ある時、担当したのが、業界内では有名なカツラ男優だった。
が、もちろんカミングアウトなどしていない。
本人は、カツラの事実は周囲にバレていないと思い込んでいる。
‥‥‥結髪さんは、緊張した。
その日の仕事は、その男優に時代劇用のカツラを被せることだったから。
それも、かなりの大物だから、なにかあったらクビ間違いなし。
‥‥‥結髪さんの心臓は、バクバク乱打した。
とりあえず結髪さんは、いつものように、時代劇の男性の髪型には欠かせない
羽二重を男優の頭に被せる作業に入った。
羽二重とは、いわゆるハゲズラのことである。
‥‥‥結髪さんは、自分が開始した作業の複雑さに目眩がした。
なぜなら、ハゲを隠すためにカツラを頭に載せている人の頭にカツラを載せる
ために、新たなハゲを作っているのである。
「どう考えても、下段のカツラは不要だろう」と思い悩みながら、それでも、
結髪さんは、生活の糧を得るために羽二重を貼り続けた。
心の中は恐怖感でいっぱいだったに違いない。
しかし、この話を他人事として聞くと、面白くて仕方がない。
ここにも恐怖と笑いの関係が見事に現れている。

このカツラのエピソードには、不条理の笑いの謎を解くヒントも含まれている。これは、まだ仮説だが、不条理の笑いの根っ子には、なんらかの偽りが存在する
のではないだろうか?
おいおい、実例と供に検証していきたい。
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by yasunari_suda | 2004-05-09 02:32 | コメディの技術
2004年 05月 06日

ズラはホラーか?コメディか?

「笑いと恐怖は紙一重」とは、非常に本質を突いた表現だと思う。
『洗礼』や『漂流教室』のようなホラー漫画の第一人者でありながら、
『まことちゃん』のような超一流のギャグ漫画も書いてしまう楳図かずおは、
「笑いと恐怖は実は似ている。いや、恐怖から見れば、笑いは恐怖の一ジャンルといってもいいかもしれない」(『恐怖への招待』河出書房新社/刊)と言って
いるほどなのだ。
笑いと恐怖。その似て非なるものを分ける一枚の紙は、一体どんなものなのか?

知り合いが勤めていた会社に秀逸なエピソードが伝わっている。
その会社は、全国的にも割と名前の通った企業。
数年前のこと、そこにAさんという役員さんがいた。叩き上げの実力派で、
現場への影響力は絶大。次期社長の噂も高く、たまに役員室から現場社員が働く
フロアに出てくると、誰もがピリピリ緊張して、直立不動となるほどだった。
港区に一軒家を持ち、サラリーマンとしては最高の自由を手にしたAさん。
そんなAさんにも、一点だけ不自由なことがあった。
Aさんは「ズラ」だったのだ。
Aさんが「ズラ」であることは、社内では誰もが知る事実だった。
しかし、やっかいなことに、Aさんは、「知るは絶対に自分のみ!」と信じて疑っていなかった。
そこが社員の恐怖の始まりだった。
毎年、Aさんは、衣替えの時期になると、季節に合わせてズラを替えた。
そして、ズラをチェンジする前日になると、一日かけて本社の全フロアの
すべての部署を訪れて、ズラの衣替えを不自然に思われないための特殊工作を
行うのだった。特殊工作は、かなり直球勝負だった。
その日に限り、Aさんは、普段なら一瞥もくれないような下っ端の社員たちにも
気さくに喋りかけるのだった。
「君、元気かね?ふむふむ。そうか?それにしても暑くなってきたね。
そろそろ‥‥衣替えの季節だね。あっ、そうだ。髪型も変えなくちゃいかん。
こう暑いとな‥‥‥さっぱりした髪型にしなきゃいかんな‥‥‥」
話しかけられた社員は、まるで地獄の責め苦にあっているようである。
ただでさえ、緊張を強いられる役員が自分に話しかけてくるのである。
しかも、「髪型‥‥髪型‥‥髪型」と、社内では最大級のタブーであるズラを
意識させるコトバを連発する。
「ズラのことを知らない振りをしなけりゃいけない」
「Aさんの髪の毛を前にして自然なリアクションをしなければいけない」
爆発秒読みのプレッシャーが体内を駆け巡る。心臓がバクバクと鳴り、手のひらに汗をかき、喉が乾き、もう倒れそうになる。
そんな時、Aさんは、とどめの一言を発するのです。
「さあ、わしも明日あたり散髪に行こうかな」‥‥‥と。
その一言を吐き出したAさんは「これで、こいつには、ズラの模様替えを怪しまれずに済むわい」と、心の内側で呟くのでしょうね。最後のコトバを言われた社員は、すんでのところで死刑執行が取り止めになった囚人のようになって、後は、Aさんが去るのを待ってへたり込むだけ。
そして、Aさんは、隣のセクションに行って、また同じ芝居を繰り返します。
もちろん、新しく捕まった社員は、頭の中クラクラしながら、恐怖のどん底で
ズラのことを知らない演技をするのです。ズラが網膜に映っても、疑念を浮かべてはいけない。つまりは、自分に嘘をついているわけで、かなり辛い行為です。

少し長くなりましたが、たとえば、このようなエピソードでは、笑いと恐怖が
紙一重で隣り合っています。その違いは?
エピソードの当事者の立場になると「ホラー体験」でしかないが、
エピソードの部外者の立場から見ると「コメディ体験」となる。
つまり、ある極端なエピソードを他人事と思えるか思えないかが、笑いと恐怖をわけるポイントとなっているのです。
それは、道で滑って転んだ人を見ると「オカシク」思うのと同じことです。

このような「笑いと恐怖」の類似点について考えると、コメディについて深く
考えるきっかけになるのです。
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by yasunari_suda | 2004-05-06 01:48 | コメディの技術